仕事に家事育児、習い事の送迎に慢性的な疲労を感じていませんか?
前の日にぐっすり寝たはずなのに、疲れが残ってると感じることはありませんか?
みなさんが抱える疲労の悩みに少しでも参考になればと思います。
ずばり結論から述べます。
疲労を回復させる3つの対処法とは、「睡眠」と「食事」と「脳の強化」であり、疲労の一番の原因は脳が酸化することによる脳疲労です。
現代人と切っても切れない関係にある疲労について、脳疲労とはどのように起きるのか。具体的にはどうやって回復させればいいのかを紹介していきます。
疲労の原因
疲労について考えることは本来の人間について考えること
「疲労」、「疲れ」という言葉から何を思い浮かべますか?
一日の疲れ、仕事疲れ、眼精疲労、朝イチの疲れ、筋肉疲労、慢性疲労などなど。
疲労にまつわる言葉は限りがなく、それほど日本人は疲労と密接な関係にあります。
つまり多くの方が抱えている問題であり、多くの方の関心事です。
私達の祖先は、何千年、何万年という長い年月をかけ、少しずつ環境に適応してきました。
日の出とともに目覚め、体を動かして食料を確保し、日没とともに休むという何百万年も続いた生活は、産業革命を通しここ数百年という進化の歴史の中では短い期間で劇的に変化し、さらに近年のスマートフォンに代表されるIT化が進む社会の変貌は凄まじい勢いです。
この急激な社会の変化に、人間の適応力が追いついていないことは明らかで、ここに疲労の原因があります。
だからといってこれだけの人口になってしまった世の中で、世界中の人々が、アーミッシュのように過去に戻って生活することも不可能です。
そのため疲労を科学し、原因を探り対処法を考えることは、幸福を求めて少しでも本来の人間らしいよりよい生活を送る為に非常に重要なことなのです。
脳の酸化がもたらす脳疲労のメカニズム
脳の疲労と一言で言っても、人間の脳は非常に大きく、複雑に発達しており、疲労と、疲労感は脳の別々の場所で起きていることが分かっています。
疲労が起こるのは主に自律神経の中枢(視床下部と前帯状回)、その疲労を自覚するのは眼窩前頭野というわけで、それぞれ部位が異なるのです。
視床下部は脳の中心より下の、脊髄近くにあり、眼窩前頭野はちょうど目の後ろあたりにあります。
脳の中では少し離れた関係にあります。
人間の脳は他の動物と比べ、あまりにも発達したために、この眼窩前頭野で発する疲労感を、脳内麻薬(ホルモン)などで簡単に隠してしまうそうです。
視床下部で実際に起こっている疲労が、離れた場所にある眼窩前頭野では感じられないことがあるのです。
この疲労の原因というのは、脳の同じ部位ばかりを使うことで発生する酸化ストレスによるもので、この防衛本能として、「飽きる」という症状が表れます。
この脳のサインを無視すると、「疲れる」、「眠くなる」というサインが出てきます。この「飽きる」、「疲れる」、「眠くなる」は脳疲労の重要なサインです。
これを無視すると、「視野が狭くなる」という症状が出てきます。
人間の脳は情報の90パーセントを視野から得ているため、この視野を狭くして、情報の収集を制限することで、脳疲労を抑えようと働くのです。
運転中の悲惨な事故、仕事中の労災などの多くは、この疲れを無視した結果、視野が狭くなったものだと考えられています。
疲労因子FFが脳疲労を引き起こす
脳を疲労させる酸化をおこす物質は活性酸素ですが、直接的に疲労感を起こすのは、疲労因子FFと呼ばれるたんぱく質です。
この疲労因子FFは、現在さまざまな方法で数値化し、計測することが可能になってきているようです。
疲れているのに平気だと無理をしている人や、疲れたふりをして実は全然疲れていない人がばれてしまう時代が来るかもしれません。(疲れと頑張りは比例するわけではありませんが・・・。)
そして、この疲労因子FFの蓄積が脳疲労の最大の原因なのですが、それを制御する疲労回復因子FRが存在します。
疲労回復因子FRの働きには、睡眠が非常に大きな役割を果たします。
脳疲労を回復させる3つの方法
疲労回復に一番効果的な睡眠
疲労回復因子FRは、睡眠により増えることが分かっています。
疲労回復に一番効果があるのは、やはり睡眠です。ただ、長時間寝ればいいというわけではありません。
質がよく深い睡眠でなければ、疲労回復という点においては効果が薄れます。
よりよい睡眠については別の投稿で解説しますが、以下簡単に紹介します。
- 基本的に7.5時間が最も睡眠効果が高く、それより長くても短くてもダメ。
- 週末の寝だめは効果がないばかりか疲労の原因となる。
- 光や音などの睡眠環境を整える。
- ぬるめのお風呂で深部体温を下げる。
- いびきに対処する。
- 就寝前の食事は避ける。
と、まだまだありますが、古来人間がとっていたような睡眠環境を作る工夫が必要だということです。
どうしても正しい睡眠が取れない人は【参考】睡眠時間が確保できない人のための仮眠法を参考にしてください。
イミダペプチドを積極的に摂取する
疲労回復に効果の高い食事として、イミダペプチドを含む食品を多く摂取することがあげられます。
これは、鳥の胸肉や、マグロ、カツオのエラ近くの部位に多く含まれていて、積極的にそれらを摂取することで、疲労回復の効果が得られるそうです。
個人的には、安く手に入る鳥の胸肉を使った鳥の胸肉ハムがオススメです。
レシピはすごく簡単です。
① 300g程度の鳥の胸肉を用意する。(できれば抗生物質、ホルモン剤不使用のもの)
② 水をたっぷり入れた鍋を沸騰させる。
③ 沸騰した鍋に皮を取った胸肉を入れて蓋をする。
④ 完全に沸騰する少し前に火を止める。
⑤ 10分後にひっくり返す。
⑥ 10分経ったら胸肉を取り出し、冷めるまで放置。(予熱で仕上げ)
⑦ 1cm幅程度に切る。
すごく簡単ですね。
鍋の温度を調整したり、10分後にひっくり返したりするのも面倒な人は低温調理器を使うのがおすすめです。
完成した鳥の胸肉ハムは手で割いてサラダに乗せたり、蕎麦に乗せたり。そのまま塩をかけて食べています。
因みに余った皮は一口サイズに切り、トースターで焼いてます。
手軽に作れて、疲労回復にも効果があるイミダペプチドを含んだ鶏の胸肉ハム。ぜひ生活に取り入れてみてください。
もしそれも面倒な人は、サプリメントとしても摂取できます。
ワーキングメモリを強化し脳を鍛える
最後に、脳自体を疲労に強い脳にすることも大切です。
脳を鍛える方法として、ワーキングメモリーの強化が効果的です。
ワーキングメモリーとは、情報を一時的に記憶し、同時に処理する能力のことです。
脳疲労は、脳の一部を酷使することで起こるのであり、ワーキングメモリの強化により、脳の一定の部位のみを使用するのではなく、脳全体を使って、特定部位の疲労を抑える効果があります。
では具体的にはどうやってワーキングメモリを鍛えればいいのでしょうか。
一つは、トランプの神経衰弱です。
トランプの絵柄と位置を覚えていくことで、まさに情報を一時的に記憶し、同時に処理する能力を強化できます。
過去にテレビ番組「ホンマでっか!?」でも紹介されたことがあります。
他には、物事を多角的に見たり、様々なことに興味を持つことでも、間接的に鍛えられます。
つまり、こうしていろいろなことを学び、関連付け、様々な考えがあることを知り、自分なりに実践し、少しずつ変わっていく。
螺旋状に成長していく、まさにこのブログが目標としていることそれ自体がワーキングメモリーを鍛えます。
他にも疲労に強い脳を作るには疲労に強い脳を作るマインドフルネス瞑想法のやり方もオススメです。【参考】疲労に強い脳を作るマインドフルネス瞑想法のやり方で紹介していますので参考にしてください。
疲労は大事なサイン
ここまで疲労に対して、疲労は排除するべきもので、ないほうがいいことを前提としてお話してきました。
疲労が起きにくい脳にすることで疲労を予防し、睡眠、食事により効果的に排除することが、より質の良い生活を送る上で重要になります。
ただ一方で、疲労は体に無理をさせないための重要なサインでもあります。
避けられない仕事や勉強、育児などを通して疲労が蓄積することはあります。
そのサインを放置すると、大きな病気となってしまったり、重大な事故を生む原因になってしまうかもしれません。
疲労の最初のサインである「飽きる」が起きている状態は集中力が途切れた状態であり、本来は休憩をとるべきタイミングです。
集中力が持続する時間の使い方については、【参考】集中力を高め維持する時間術で詳しく紹介していますので参考にしてください。
疲労はないほうがいいものかもしれませんが、同時に生きていくための機能だと認識し、疲労とうまく付き合いながら、より有意義で充実した毎日を送ることが大切です。
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