誰もが知っている腕立て伏せですが、上半身を鍛えるには究極のトレーニングと言えます。
正しい姿勢で行えば、上半身から下半身につながる筋肉を協働的に鍛えられます。
腕立て伏せには何十種類とありますが、機能的な体を得ることを目的とし、片手腕立て伏せを最終目標としたメニューを紹介します。
自重系トレーニングの効果については【参考】自重系トレーニングの効果とおすすめの種目、筋肥大については【参考】自重系トレーニングで筋肥大させる方法を参考にしてください。
正しい姿勢
一般的な腕立て伏せの姿勢をイメージしてください。
手は肩幅に開き、肩の下に置きます。
足を揃えてつま先を地面につき、足首の角度を90度にします。
頭の先からかかとまでは常に一直線に保ちます。
下ろすときは、脇が窮屈じゃない程度に自然に締めて肘を曲げます。壁に向かって押す時に力が入る角度が、その人にとっての自然な脇の開きです。
鍛えられる部位
特にトレーニング効果が高い部位を図の黄色下線で示しましたが、胸筋、三角筋(肩の筋肉)、上腕三頭筋、前腕などの胸から腕にかけて効果があります。
さらに、広背筋(背中の筋肉)、脊柱筋(脊椎まわりの筋肉)、腸腰筋(下腹部の筋肉)、腹筋、大腿筋(ももの筋肉)、脛骨筋(すねの筋肉)にも効果があります。
これは、体を一直線に保つことで、アイソメトリックトレーニング(静的動作トレーニング)をしていることになるからです。
まさに全身に効くトレーニングと言えます。
腕立て伏せの種目
腕立て伏せ(膝つき)
①腕立て伏せの姿勢(手は肩幅で肩の下、足を閉じて体が一直線)をとり、膝を地面につきます。
②頭から膝までを一直線にし、膝を90度程度に曲げてつま先を上に向けます。
③2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、胸が地面につくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返しです。
腕立て伏せ(ハーフ)
①腕立て伏せの姿勢をとり、頭からかかとまでを一直線に保ちます。
②肘を90度まで曲げ、地面から胸までの高さの半分の位置に来るように、お腹の下にクッションやマットなどを置くと分かりやすいです。(写真では省略してます。)
③2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、肘が90度曲がりお腹がクッションにつくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返しです。
腕立て伏せ
①腕立て伏せの姿勢をとり、頭からかかとまでを一直線に保ちます。
③2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、胸が地面につくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返しです。
腕立て伏せ(ダイヤモンド)
①腕立て伏せの姿勢をとり、両手の人差し指と親指を合わせてを胸の前でひし形を作ります。
③2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、胸が地面につくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返しです。
足を閉じて行うので、2点で支持しているような形になり、バランスをとるためにインナーマッスルも鍛えられます。
腕立て伏せ(アンイーブン)
①腕立て伏せの姿勢を取り、片手を20cmから25cm程度の高さに置きます。マット、プッシュアップバーなどを使うといいです。
③2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、胸が地面か下に置いた手につくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返し行い、逆の手でも行います。
写真では右腕から実施していますが、右利きの人は左から実施したほうがバランスよく鍛えられます。
はじめの姿勢で地面についている手の方に重心を近づけると負荷が高くなるため、トレーニングの進捗により徐々に重心をずらしていくと効果が高くなります。
片手腕立て伏せに進むにはできる限り重心を、腕1本で支える方に近づけていく必要があります。
片手腕立て伏せ(ハーフ)
①下に置いた手を90度曲げた時に地面から胸までの高さの半分の位置に来るように、お腹の下にクッションなどを置きます。(写真では省略してます。)
②片手を地面につき、もう一方の手は腰に回します。
③両足を閉じて頭からかかとまでを一直線にし、下に置いた手の真上に首から鎖骨がくるように姿勢をとります。
④2秒かけてゆっくり肘を曲げて体を下ろし、お腹がクッションにつくかつかないかの位置で1秒止めます。
⑤2秒かけてゆっくり肘を伸ばしてはじめの姿勢に戻り、1秒止めます。繰り返し行い、逆の手でも行います。
左手で行うときは右足のつま先、右手で行うときは左足のつま先にかかる力がかなりのポイントです。
体を捻じりたくなりますが、手と逆の足で耐えます。
アンイーブンで十分に力をつけてから行えばできるはずですが、どうしてもバランスがとれないときは、足幅を少しだけ開き、トレーニングの進捗に応じて徐々に閉じていくといいと思います。
バランスを崩して倒れると危険なので、下にマットを敷いて行うことをお勧めします。折りたたみ式のマットであれば、お腹の下に置くクッションなどの代わりとして高さを調整できます。
片手腕立て伏せ
①片方の手を地面につき、もう一方の手は腰に回します。
②両足を閉じて頭からかかとまでを一直線にし、下にした手の真上に首から鎖骨がくるように姿勢をとります。
③2秒かけてゆっくりと体を下ろし、胸が地面か下の手につくかつかないかの位置で1秒止めます。
④2秒かけてゆっくりと肘を伸ばし、はじめの姿勢に戻ります。1秒止めます。繰り返し行い、逆の手でも行います。
足を閉じているため、バランスが非常にとりづらく、手の位置を微調整する必要があります。
腕1本にほとんどの体重がかかるため、かなりきついですが、体は一直線とし捻らないように気をつけます。
全く出来ないときは、足を少し開いてください。広く開くと負荷が下がるので、徐々に閉じられるようにトレーニングしていきます。
トレーニングの進め方
10回×3セットを目標にし、出来るようになったら次の種目に進みます。
新しい種目に進むにつれ、かなり負荷が高くなりますので、もしかしたら3回も出来ないかもしれません。
反復回数4回程度までは神経系の強化になるので、回数として成果に現れなくても神経系は確実に成長しています。【参考】筋力トレーニングで神経系を強化する方法
辛抱強く続けながら、一つ前の種目も並行して限界まで取り組めば、神経系の強化と筋肥大の両方の成果が得られます。【参考】自重系トレーニングで筋肥大させる方法
1回も出来ないようなときは、一つ前の種目に戻り11回×3セットが出来たらまた挑戦する。それでも出来なければまた前の種目で12回×3セット出来るようになったら再度挑戦する。としていくといつかは1回にたどり着けるはずです。
時間はかかりますが、次のステップの準備が出来てから進んでいくことが大切です。
詳しい実施回数と、セット間の休憩時間を知りたい方は下の記事を参考にしてください。
今回は片手腕立て伏せを最終目標としたメニューを紹介しましたが、片手腕立て伏せ(ハーフ)に取り組みだしたあたりから、プランシェを取り入れていくのもオススメです。
足を閉じて行うプランシェ到達までにはかなり年月がかかりますが、トレーニングとして効果があるだけでなく身に付ければかなり希少な損税と慣れます。【参考】初心者のためのプランシェ練習方法とコツ
また、トレーニングに合わせて筋回復もとても重要になります。筋回復に必要なタンパク質の摂り方については【参考】タンパク質の摂り方【一日の摂取量とタイミング】を参考にしてください。
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