自重系トレーニング懸垂のやり方【背中の鍛え方】

懸垂のやり方【最強の背中の作り方】 トレーニング

懸垂は背中全体を鍛えるトレーニングとして最も効果が高い種目です。

自分では鏡に映さないと見えない背中ですが、実は女性が好きな部位の第1位が腕の筋肉で、第2位が背中の筋肉です。

正しいフォームで取り組めば広背筋だけでなく背中にある全ての筋肉と、上腕二頭筋、上腕三頭筋という腕の筋肉、さらに握力まで鍛えられるのが懸垂です。

また背中を鍛えることで、猫背が治りきれいな姿勢を維持できるようになります。

懸垂を1回もできない人でも、最終目標の片手懸垂やマッスルアップまで、ケガをせず段階的に取り組める方法を紹介していきます。

機能的な体造りと正しい姿勢、さらには女性にモテる体を手に入れましょう。

正しいフォーム

一般的な懸垂の正しいフォームを示します。

  • 足がつかない高さの鉄棒に順手で親指までしっかりと握ってぶら下がる
  • 肩と腕は完全に伸ばしきらず緊張させておく
  • 引き上げるときは顎先が出るまで上げる
  • 足の反動は使わない

親指をしっかり握り込むと、先に握力がなくなり本来鍛えたい背中や上腕が鍛えられないという考え方もあり、鉄棒の上に親指を引っ掛けたり、握力を補助するリストバンドを使う人もいると思います。

ただ、自重系トレーニングの目的は協働する機能的な体造りです。握力が先になくなるのであれば、体重を十分に支えられないということであり握力が足りないと考えます。

軽視されがちな握力ですが、祖先が樹上生活をしていた時代は木にぶら下がるために重要な筋肉だったことも考えると、協働させるには同時に鍛えるべき部位だと思います。

自重系トレーニング全般に関しては【参考】自重系トレーニングの効果とおすすめの種目を参考にしてください。

鍛えられる部位

懸垂により鍛えられる部位は、広背筋、僧帽筋、三角筋、円筋、棘下筋などの背中の筋肉と、上腕二頭筋、上腕三頭筋、前腕などの腕の筋肉です。

中でも黄色の下線で示した三角筋、上腕三頭筋、広背筋、僧帽筋、上腕二頭筋は筋肉量が多く、筋肉の大きさランキングでいうトップ10に入る5つの部位が鍛えられるということになります。

また、三角筋は後部を適切に鍛えられるので、ケガをしやすい部位の代表である肩のケガ予防に最適です。

懸垂の種目

斜め懸垂

①胸の高さの鉄棒を探す。

②手の広さは肩幅で順手で握って腕を伸ばし、踵を地面について体幹を一直線にして腕と体幹を90度の角度とする。

③2秒間かけて顎先が鉄棒の斜め上に出るまで引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒間かけて元の姿勢に戻る。

ハーフプルアップ(懸垂ハーフ)

①手の広さは肩幅かやや広い程度で、肘の角度が90度になるように腕を曲げて順手で鉄棒を握りぶら下がる。

②2秒かけてゆっくりと顎先が鉄棒の上にくるまで体を引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

プルアップ(懸垂)

プルアップ

①手の広さは肩幅かやや広い程度で、順手で鉄棒を握りぶら下がる。このとき肘と肩は伸ばしきらずに緊張させておく。

②2秒かけてゆっくりと顎先が鉄棒の上にくるまで引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

クローズプルアップ

クローズプルアップ

①手の親指同士がつくように近づけて順手で鉄棒を握りぶら下がる。このとき肘と肩は伸ばしきらずに緊張させておく。

②2秒かけてゆっくりと顎先が鉄棒の上にくるまで引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

アンイーブンプルアップ(ロッキー懸垂)

シルベスタ・スタローン主演の映画「ロッキー」で取り入れていたトレーニングです。

アンイーブンプルアップ

①片方の手で鉄棒を逆手に握り、もう一方の手で鉄棒を掴んでいる手の手首を握ってぶら下がる。

②2秒かけてゆっくりと顎先が鉄棒の上にくるまで引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

もう一方の手についても同様に行います。

鉄棒を掴んでいる方の手で引き上げるように意識して行いましょう。

決められたセット回数ができるようになったら、「③2秒かけて元の姿勢に戻る。」のときに添えている方の手を離して行います。

エキセントリック収縮によるより高い効果が得られます。

ワンアームハーフプルアップ(片手懸垂ハーフ)

ワンアームハーフプルアップ

①片手で鉄棒を逆手(順手)に握り、肘が90度になる位置に腕を曲げてぶら下がる。

②2秒間かけて顎先が鉄棒の上にくるまで体を引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

もう一方の手でも同様に実施します。

使わない手はバランスが取れる位置に自然に置きます。

腹筋に力を入れる必要があるため、足を組んだ方がやりやすい場合は組んで行いましょう。

ワンアームプルアップ(片手懸垂)

反動を一切使わずに正しいフォームでできる人は、恐らく1万人に1人くらいではないでしょうか。それほど難易度が高くなります。

ワンアームプルアップ

①片手で鉄棒を逆手で握りぶら下がる。このときも肘と肩は完全に伸ばさないように注意します。

②2秒かけてゆっくりと顎先が鉄棒の上にくるまで引き上げ、1秒間停止させる。

③2秒かけて元の姿勢に戻る。

同様にもう一方の手で実施します。

順手によるワンアームプルアップ

順手で行う場合は、逆の肩が触れる位置まで体を引き上げます。

順手のほうが力が伝えやすく、やりやすいかもしれません。

マッスルアップ

片手懸垂よりも難易度は低いですが、手首の力とちょっとしたコツが必要になるので、アンイーブンプルアップまで進んでから取り組むことをお勧めします。

①手の広さは肩幅より広めで、順手で鉄棒を握りぶら下がる。このとき肘と肩は伸ばしきらずに緊張させておく。

②足の反動は使わずに胸の高さまで一気に体を引き上げたら、肘を伸ばして腰の高さまで到達する。

③鉄棒の上に胸がくる位置まで下ろし、元の姿勢に戻る。

最初はコツを掴むために反動をつける方がいいですが、できるようになったら筋力アップのためには反動をなくしましょう。

ゆっくり上がると難易度が跳ね上がります。鉄棒の奥を握り込むようにして手首を固定することがポイントです。

因みにギネス記録は26回です。(私の最高記録は15回です。)

さらに詳しく知りたい人は【参考】マッスルアップのやり方とコツを参考にしてください。

トレーニングの進め方

まずは鉄棒のある公園を探す必要があります。

自宅の近くに運良くあればいいのですが、もしない人はプルアップバーがあると自宅でも出来ます。

耐荷重の高いものは高価になりますが、もしも外れて落下すると怪我につながるので、ある程度高くても信頼できるものを選択するといいと思います。

賃貸で壁に穴があけられない人のために、穴あけ不要のものもあります。リンクを貼っておきますので、各住宅状況に合わせて選んでみてください。

プルアップバー 懸垂バー 水平バー 懸垂 懸垂棒 懸垂マシン コンパクト ぶら下がり健康器 ぶら下がり ドアジム トレーニング チンニングバー 滑り止め 筋力トレーニング 腹筋 背筋 穴あけ不要 110-138cm 耐荷重400kg 滑り止め 耐久鋼 室内用 筋トレ 自宅 健康グッズ

トレーニングについては正しいフォームで10回×3セットを目標とし、できるようになったら難易度の高い次の種目に進みます。

新しい種目では、最初は3回もできないかもしれませんが、1〜4回を限界として取り組んでいけば神経系が発達し筋力が増加します。

1セットでできる回数が5回以下の間は、セット間の休憩を3分から5分とります。この間は神経系のトレーニングとなるため長めの休憩が必要です。
【参考】最も効果的な筋トレのインターバル(セット間の休憩時間)とは【何分?何秒?】

神経系の発達には時間がかかりますが、いずれ回数が増えてきますので、ケガをしないように焦らずゆっくりと進みましょう。

6回以上出来るようになるまでは、筋肥大のために一つ前の種目も同時に行うことをお勧めします。

この場合、一つ前の種目が1セット10回以上できるかもしれませんが、6〜15回が筋肥大のためのトレーニングとなり、それを超えてしまうと筋持久力のためのトレーニングと変わってしまうため、ネガティブ動作の時間を増やすなどして15回までに限界となるよう調整しましょう。

1セットに6〜12回実施する場合のセット間の休憩時間は3分程度が適切です。

目的別の実施回数については【参考】筋トレで効果が出る1セットの回数や負荷の大きさとは?を参考にしてください。

まとめ

自重系トレーニングで背中を鍛える方法として、様々な懸垂の種目を紹介しました。

順番に取り組んでいけば、背中の神経系の強化と筋肥大を同時に得られ、機能的な体づくりに繫がります。

最初に説明した正しいフォームを意識しながら、ステップアップを目指して取り組んでみてください。

時間はかかりますが片手懸垂までたどり着くことは可能です。

自重系トレーニングを世間に広めるきっかけとなった、元囚人が書いた「プリズナートレーニング」がとても参考になりますので、最後に紹介しておきます。

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