まずはじめにお伝えしたいことは「読書はすばらしい」ということです。
- 読書をすると言葉を覚えます。
- 読書をすると他人の経験を体験できます。
- 読書をすると知識が増えます。
- 読書をすると世界が広がります。
- 読書をすると人生が豊かになります。
言葉について
「はじめに言葉ありき」と、新約聖書の「ヨハネによる福音書」の冒頭にあります。私達の住む世界は言葉から始まりました。
認知できるものは、すべて言葉で説明できます。逆に言えば、言葉で説明できないことは、正しく認知できていないことです。
「犬」を見たとき、私達は「犬」という言葉を通して、誰もが犬をイメージします。言葉を通して同じ世界を共有し、社会が成り立っています。
これを、スティーヴン・キング著「書くことについて」の中で、「書くことはテレパシーである」と表現しています。【参考】書くことのプレッシャーから解放される【書くことについて スティーヴン・キング】を参考にしてみてください。
言葉の重要性と、言葉の持つ力を絶妙に表現していると思います。
また、ジョージ・オーウェル著SF小説の『1984年』では、単語を減らしていくという作業により、人々を支配していく世界が描かれています。
「反抗」や「革命」という言葉をなくし、支配しやすい世界を作っていく物語です。【参考】全体主義化していく世界への警鐘【1984年 ジョージ・オーウェル】を参考にしてください。
言葉で世界が形作られ、その言葉を学べるのが読書です。
どう読んでもいい
本をあまり読まない人の理由の一つに、「読んでみても面白くなかったり、難しすぎたりして途中でやめてしまう。」というものがあると思います。
これに対する私の意見としては、本はどう読んでもいいし、途中でやめてもいいです。
本には小説、自己啓発本、専門書など、様々なジャンルがあります。読む目的はそれぞれですが、究極の目的は、読書自体を楽しんだり、本から知識を得たり、感情を刺激されたりすることにより、人生を豊かにすることです。
一つの物語の読み方は、人の数だけありますし、読んだ内容を忘れてしまっても、読んでいるときに感動があればそれだけで十分です。
難しい本を無理に読み進めるより、途中で得た気づきを実践してみるほうが人生においてよほど大切です。
一つの本から、自分なりの感想を持ち、また何か一つでも得られたらそれを生活に取り入れてみて、生活がより良いものになれば十分な価値があったといえます。
そうやって、ゆっくり螺旋階段を上るように自分を変えていくきっかけになればいいんです。
名著と言われるような本は、読書が習慣化してからゆっくり取り組んでいけばいいと思います。
よく読むために
読書が習慣化してくると次のような願望ができてきます。
- 読書で知識を増やしたい。
- 読んだことを覚えていたい。
- 読書を生活に活かしたい。
- 読書を育児に活かしたい。
- 読書をお金に変えたい。
私もそのために「読書術」に関する本をたくさん読みました。その中で参考になりそうなものをいくつか紹介します。
知識を増やして覚える
楽しみながらたくさん読んで、楽しみながらたくさん書く(話す)。
これに尽きます。楽しみながらというところがポイントです。
準備をする
何のためにこの本を読むのか。読んでどうなりたいか。といった目的を明確にします。
目次読書法で、目次に目を通し、だいたい何が書かれているか確認します。
好きなことをしたり、軽く運動をしたりして、ドーパミンの分泌を促し、記憶力を高めます。
想起しながら記憶を定着させる
読んでいて、「なるほどな。」「これやってみようかな。」「この言葉いいな。」と気づきを得た部分に線を引いたり、付箋を貼ったりしながら読み、その時の気持ちも書き込みます。
何が書いてあるかや、次の展開を予想しながら読むと、予想を裏切られたときに気づきが得られやすいです。
自分の知識とつなげたり、体験と繋げて読むことで、関連付けて覚えることが出来ます。
一章ごとの区切りで本から顔を上げて内容を想起します。
休憩を入れる
15分、45分、90分といったタイミングで休憩を入れます。タイマーで測り、途中であっても止めて休みます。
適切な休憩により脳内が整理され、記憶定着の手助けになります。【参考】集中力を高め維持する時間術を参考にしてください。
3回以上アウトプットする
読んだ内容を、友人、家族など言葉にして話します。(2回目のアウトプット)
読んだ内容を日記に書いたり、SNSやブログにアップしたりします。(3回目のアウトプット)
1回目のアウトプットは読みながらメモを書き込んでいるので、合計で3回になります。
3回以上アウトプットすることで、脳は重要な情報だと判断し、長期記憶として保存されます。
生活に活かす
生活に活かすコツは、読んだことをとにかく実践してみることです。
エビデンスレベルが高くて信用できそうなことや、統計的に効果がありそうなことや、失敗と成功の長い歴史の中で確からしいことはあります。
ただ、どんなことも絶対はなく、何が正しいかも歴史や環境で変わり、合う合わないも人種や個人で変わり、正解はありません。
気づいたことはやってみて、効果は自分で判断するしかないんです。
これには自分を変える、変わっていくという勇気と決意が必要です。常はなく、形を変えていく世の中で、自らも変わり続ける決意です。
育児に活かす
IQが高く、裕福なイメージの強いユダヤ人ですが、子供のころから読書をさせる習慣があります。
財産をすべて奪われても、知識までは奪えないという言葉があるように、子供に対する教育には惜しまずお金を払います。
幼少期は読み聞かせに力をいれ、読めるようになったら時間を決めて親と同じ空間で読書をするという方法が効果が高いです。
読み聞かせにより、正しい日本語を耳から学び、日本語了解能力を向上させていきます。
論理的思考は、母国語を基礎に成り立つため、日本語をしっかり学ばせることは、その後の能力に大きな影響を与えます。
読み聞かせの効果については【参考】幼児教育に効果的な読書と読み聞かせについて【将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる! 松永暢史】を参考にしてみてください。
お金に変える
日本人は読書習慣があまりなく、月に7冊の読書で、日本人の上位4%になれます。
これだけで読む価値があると思えますが、読書の効果は、色々な視点から物事を捉える力がつくため、人とは違う発想力が身につきます。
このためには、本から一つの正解を見つけようとするのではなく、自分なりの異なる視点で読んでみることも必要です。
また、同じジャンルの本をまとめて何冊も読むことも効果的です。投資なら投資の本を10冊まとめて読めば活きた知識として身につきます。
まとめ
後半は、読書によって得られるものやその具体的な方法についてお話しましたが、やはり一番の目的は読書で人生を豊かにするということを忘れてはいけません。
読書は、それぞれの読み方があり、それぞれの捉え方があって、それでいいんです。
読書を通してゆっくりと興味が広がって、感情が豊かになって、世界が広がって。
そうしたゆっくりとした成長をもたらしてくれるものが読書です。
我が家では、夜の8時から9時までの1時間、家族4人、それぞれが同じ空間で読書をします。
同じ空間で同じ時間を、同じ読書という行為を通して、別々の世界を過ごします。シーンと静かですが、ゆっくりとして穏やかでどこか温かく感じられる私の好きな時間です。
読書を通して、ご家族とともに幸せな時間を過ごすことをお勧めします。
最後に、Kindleのススメです。本はそれなりにお金がかかるし、場所もとります。広い家なら問題ないでしょうが、マンションなどの限られたスペースでは、読んだ本をどうするかという問題も発生します。
買って売るのも一つですし、図書館で借りるという方法もありますが、Kindleで読むというのも一つの選択肢です。
Kindleにはハイライト機能があり線が引ける、メモが書き込めるなど非常に多くのメリットがあります。
コメント